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公認心理師試験 要点まとめ⑮ 精神医学

公認心理師試験の直前の確認に、特に重要な部分だけを抜粋した、自作ノートを公開します!自己責任の下、必要に応じてご活用ください。

ここでは、精神医学に関連する内容をまとめています。

 

精神医学

1.精神症状の種類 

※症状とは、患者が訴える「主観的体験」です。

神経症

レベル

(誰でも多少ある)

 

ストレスによる

抑うつ

気分の落ち込み以外に、興味・関心の減退、活動性の減少、非哀感・絶望感

自尊心肥大、注意散漫、外部刺激に転導、思考内容が次々に転導

短時間睡眠、爽快気分と不快・不機嫌

不安

「将来の脅威に対する予期(未来に向けられた恐怖感)」。正常な反応。

危険がない状況でも生じ、生活や機能に影響を与えるときに症状となる。

恐怖

今、ここで「それ」に対する恐怖。(例、いま、ここで犬に対する恐怖)

不安は未来、恐怖は今。広場恐怖、対人恐怖、不潔恐怖、醜態恐怖

強迫

こだわり

せん妄

悪性の「寝ぼけ」。軽い意識障害+幻覚⇒ほとんど一過性

記憶障害

前向性障害:新しい情報が覚えられない

逆行性障害:過去の記憶が想起できない

精神病水準

幻覚

5種類ある:幻聴、幻視、幻味、幻臭、幻蝕。幻聴は統合失調症に多い。

妄想

・心気妄想:自分が重病に患っている等:うつ病に多い

・貧困妄想:自分の財産がなくなった:うつ病に多い

・迫害妄想:自分が迫害されている等:統合失調症に多い

・妄想気分:不気味で何かが起きるという不安緊迫感:統合失調症

・世界没落体験:世界が破滅する:統合失調症

 

2.認知症

(1)症状

中核症状(認知)

記憶障害、失語・失認、失行、判断力、実行機能、見当識障害

⇒脳が担っていたこと

できない、わからない、怖いという気持ちから周辺症状が発生する

周辺症状(行動・精神)

抑うつ、不眠、徘徊、妄想、せん妄、人格変化、不潔行為

見当識障害:時間や場所が急にわからなくなる

※せん妄:異常な精神状態。突然暴れだす、意味不明なことをいう、妄想・幻覚・幻聴・攻撃的

 

(2)種類

アルツハイマー

・脳が委縮。女性に多い。⇒老人班(アミロイドBから生じる)により破壊される。

・進行はゆっくり(海馬⇒頭頂葉前頭葉へ)

・記憶障害⇒失効・失認・失算・失読⇒自発性低下・人格変化等

・うつ症状が起こる

血管性認知症

脳梗塞脳出血が原因

・症状は、梗塞巣の分布による⇒まだら状に障害される  

・感情失禁

・段階的に悪化する

レピー小体型認知症

・脳の広範囲に「レピー小体(たんぱく質)」が発生する。

⇒進行により寝たきりに。

・はっきりとした幻視や妄想、パーキンソン症状を中核症状とする。

レム睡眠行動障害が見られる

前頭側頭型認知症

前頭葉と側頭葉に委縮が見られる。

・代表的なものに「ピック病」がある⇒同じ行動を何度も繰り返す(常同行動)

・自分勝手な行動、万引きなどの反社会的行動、人格の変容

・進行すると、言語機能障害

・記憶障害や見当識障害の症状は軽い⇒認知症と判断されないことがある。

生常圧水頭症

・原因不明の脳室拡大  

・歩行障害、認知障害、排尿障害

・治療で回復可能

(3)心理的支援

回想法

(ライフレビュー)

過去への回想、未解決の課題の再考、集団・個人可能

リアリティ

オリエンテーション

見当識障害へのアプローチ

(日にち、場所、時間、季節等を随時提供し、不安や混乱をなくす)

 

3.依存症

プロセス依存、物質依存、関係依存がある。

依存

プロセス依存(様々な活動)

ギャンブル、ネットゲーム、買い物

物質依存(物質摂取)

たばこ、覚せい剤睡眠薬

関係依存(人への依存)

DV、子の世話を過度にやく等

DVは、「緊張期」「爆発期」「開放期(ハネムーン期):加害者が謝罪し優しくなる」がある。

⇒暴力の後の優しさ⇒「特殊な結びつき」により依存

⇒トラウマティック・ボンディング

 トラウマティック・プレイ⇒トラウマを再現する遊び

 

※物質依存2パタン

依存パタン

対処物質がきれると・・・

例)

精神依存

物質を摂取したい渇望にとりつかれる

コカイン、ヘロイン

身体依存

離脱症状(幻視、発汗、頭痛等)

ヘロイン

※中毒:体内から物質が排泄されると症状は消失する

 

※依存性薬物は、2つに分けられる

・中枢神経興奮薬(覚せい剤

・中枢神経抑制薬(アルコール、大麻

 

 

4.統合失調症

(青年期に発症⇒ドパミン過剰仮説)

陽性症状

幻覚、妄想、自我障害

陰性症状

感情鈍麻、自発性減退、社会的引きこもり

DSMにおける統合失調症の診断基準

(以下の2つ以上が常に存在、少なくとも1つは①か②か③を含む)

①妄想、②幻覚、③まとまりのない発語、④まとまりのない行動、⑤陰性症状

 

シュナイダーの一級症状

・考想化声(自分の思考が声として聞こえる)

・話しかけと応答形式での幻聴

・自分の行動について誰かが批判する幻聴

・身体的影響体験(体が電波や光線の影響をうける)

・考想奪取(自分の考えを他人に奪われる)

・考想伝搬(自分の考えが他人に知られている)

・妄想知覚(知覚への妄想的な意味づけ)

・作為体験(自分が他者に操られている)

 

(2)統合失調症スペクトラム

統合失調感情障害、妄想性障害、緊張病(カタトニア)等がある

【緊張病】

・昏迷(精神運動性の活動がない、周囲と活動的なつながりがない)

・カタレプシー(他人にとらされた姿勢を保ち続ける)

・蠟屈症 ・無言証 ・拒絶症 ・姿勢保持 ・わざとらしさ

 

(3)歴史

 早発性痴呆(クレペリン)⇒精神分裂病統合失調症(2002年)

 

5.他の病気 DSM

障害名

種類

症状

治療・備考

気分障害

双極性障害

躁)観念奔逸、睡眠欲求低下

炭酸リチウム

うつ病

・貧困妄想:お金がない

罪業妄想:罪深い人間

・心気妄想:重大な病気罹患

SSRI

認知行動療法

気分変調症:軽症だが慢性

不安症群

分離不安症

愛着を持っている人からの分離に対する過剰な不安

選択性緘黙

特定の社会状況において、一貫して話すことができない

限局性恐怖症

特定状況に対する顕著な恐怖と不安(注射、高所等)⇒暴露法

社交不安症

他者の注目を浴びることへの恐怖・不安⇒SSRI認知行動療法

パニック症

広場恐怖と合併する場合有り⇒SSRI認知行動療法抗不安薬

広場恐怖症

乗り物、広場、劇場、群衆、等への不安・恐怖

⇒暴露法、認知行動

全般性不安症

多数の出来事などへの過剰な不安や心配が6か月以上続く

易怒性、睡眠障害、集中困難、筋肉の緊張

強迫症および関連症群

強迫症

強迫観念、強迫行為⇒SSRI、曝露反応妨害法、認知行動療法

醜形恐怖

繰り返し鏡による確認、過剰な身づくろい、皮膚むしり、等

抜毛症

体毛抜き、辞めようと思っているがやめられないから苦痛

ためこみ症

捨てる、手放すことが困難、過剰収集を伴う

心的外傷およびストレス因関連障害群

反応性アタッチメント

社会的ネグレクト経験者。

脱抑制型対人交流

社会的ネグレクト経験者。見慣れない人に近づく、馴れ馴れしさ

PTSD及びASD

強いトラウマ。フラッシュバック(侵入症状)、持続回避、等

ASD:~1か月、PTSD急性:1~3か月/慢性:3か月以降持続

SSRI認知行動療法、EMDR(眼球運動脱感作)

適応障害

他のいずれの精神疾患の診断基準を満たすほどのものはない

解離症群

解離性同一症

2つ以上のパーソナリティ

解離性健忘

特定の出来事の健忘(現局的、選択的健忘)または全般性健忘

離人感・現実感消失

現実感の消失

身体症症状および関連症群

身体症状症

 

病気不安症

病気へのとらわれ⇒病院に何度もいくor病院を避ける

変換症/転換性障害

神経学的検査をしても説明できない神経症

失神・痙攣発作、麻痺、歩行障害、視・聴覚障害⇒多数同時あり

作為症/虚偽性障害

偽下痢、偽発熱等。自分(ミュンヒハウゼン)、他者(代理ミュンヒハウゼン)

⇒外的報酬を求める詐病とは異なる  周囲の関心を引くため

食行動障害および摂食障害

神経性やせ症

神経性無食欲症

拒食症

・衰弱死、不整脈感染症、自殺

・生命の危険がある時は、要入院

・本人は病識に乏しい

・家族療法が有効

・5年以内に寛解

BMI⇒17/m2以下~

神経性過食症

・反復する過食

・体重増加防止の不適切行動

・体重、体系への過度なこだわり

・レプチン濃度が上昇

抗うつ薬有効

認知行動療法

睡眠‐覚醒障害

不眠障害

「寝なければ大変なことになる!」

メラトニン、オレキシン、ベンゾジアゼ

過眠障害

9時間以上あってもまだ眠い

 

ナルコレプシー

・情動脱力発作(カタプレキシー)

オレキシンの欠乏

レム睡眠の異常⇒入眠時幻覚

メチルフェニデート

ADHDと同じ薬

 

 

パーソナリティ障害群

A群

パーソナリティ障害

妄想性/猜疑性

他者への不信と疑い深さ

統合失調症

急な不快、風変りさ

スキゾイド

社会的関係からの離脱

B群

パーソナリティ障害

演技性

人の注意を引こうとする

自己愛性

賞賛欲求、共感欠如

境界性

感情の不安定と衝動性

反社会性

他人の権利無視、侵害

C群

パーソナリティ障害

回避性

関わりを求めるが避ける

依存性

世話をされたい欲求

強迫性

完璧主義、秩序に囚われる

パラフィリア

性嗜好異常

 

秩序破壊的

衝動抑制

素行症

反抗挑発症

易怒的、口論好き、執念深さ

素行症

社会的規範や規則を侵害することが持続

放火症

意図的な放火

窃盗症(クレプトマニア)

直前の緊張の高まり、窃盗に及ぶときの快感、満足、開放感

神経発達症群

 

発達早期に

明らかになる

知的能力障害

18歳までに発症。DSMではIQ区分無

4分類:軽度、中度、重度、最重度

ADHD

12歳前から存在。ADDは女性に多い

コンサータ/ストラテラ/インチュニブ

限局性学習症

 『読み』:ディスレクシア

 『書き』:ディスグラフィア

 『計算』『推論』:ディスカリキュリア

自閉スペクトラム症

・社会性、想像性、コミュニケーション

・中枢性統合の弱さ:細部にとらわれ大局的な判断の困難さ

全体の意味を見出そうとすることよりも、部分のまま関わろうとする傾向が大きい。

・感覚に対するこだわり⇒感覚過敏

運動症群

チック症群

トゥレット症含む(音声チック、運動チック等)

 

ややこしい症状まとめ!

・カタレプシー:他人にとらされた姿勢を保ち続ける。統失や緊張病の症状の一種でもある。

・カタプレキシー:喜怒哀楽や恐れ、羞恥時に力が抜ける

ナルコレプシー:突然眠くなる。オレキシンの低下。カタプレキシーを伴う場合がある。

 

ジストニア錐体外路症状の1つ。筋肉の異常な収縮。

・ジスキネシア:錐体外路症状の1つ。

アカシジア錐体外路症状の1つ。

 

・アレキシサイミア:失感情症。自分の感情の認識や言語化が苦手。ストレスや気分の変化に気づかない。対人関係もうまくいかない。

 

ここまでです。お疲れさまでした!

事例問題は確実に抑えましょう!

 

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試験勉強、頑張ってください!!

 

 

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